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今、必死になって勉強中のゲノムについて恥ずかしながら、ごく基礎的な事項を記述してみました。
7月上旬の原稿でございます。
どうしても解らない部分があると、メールで大学時代の同級生に尋ねるのですが、
その旧友(助教授)は小生にはとても冷たく、そんなにゲノムに興味があるのなら、寝袋持参で研究室へ泊り込みで来いと。
二三ヶ月も研究室で勉強していれば、お前の頭なら、ほんの「さわり」ぐらいなら習得できるだろうと言われた。(笑)
もっともこの話にはオチがあって、彼が研究室で30年間こもって研究しても「わからない」学問なのだそうだ。
最初、彼とメールで会話した時、「なんだ簡単じゃん・・・。」と、言った自分があほでした。
ゲノム (genome) は「ある生物をその生物足らしめるのに必須な遺伝情報」として定義されます。
すなわちその生物の遺伝子の総和でございます。
遺伝子「Gene」と、全てを意味する「-ome」をあわせた造語であり、英語ではジーノムと発音されます。
複数の染色体からなる二倍体細胞においては全染色体を構成するDNAの全塩基配列を意味することもあります。
1920年にH. Winklerによって配偶子が持つ染色体の一組として定義されました。ご存知のことと思います。
後にコムギの研究を通して木原均(1930年)がある生物をその生物足らしめるのに必須な遺伝情報として概念的に定義し直しました。
高校の理科でも習ったと思います。
忘れましたか?
通常二倍体細胞においてはその半数体に含まれる遺伝情報を意味するということ。
半数体ヒトゲノムは約30億塩基対からなり、体細胞は2倍体であるため約60億塩基対のDNAを核内に持っていいます。
分裂酵母では3本の染色体DNA上に、大腸菌やミトコンドリアでは一つの環状DNA上に保持されております。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のようなレトロウイルスではRNAが媒体になります。新聞にもよく掲載されていた時期がありました。
遺伝子数とゲノムサイズは必ずしも比例しなません。
両生類や植物のユリのゲノムサイズは大きく、昆虫やトラフグではゲノムサイズが小さい。
これはイントロンや遺伝子間のジャンクDNAの長さが原因と言われております。
進化の過程でゲノムサイズは増加していくが、あるときゲノムをコンパクトにすることが起こるためであるとも考えられているようですね。
現在の生物学ではゲノムを研究するゲノミクスを初めとして、
オーミクス (-omics) と呼ばれる、網羅的解析を特徴とする研究分野が盛んになってきているゲノムプロジェクトはゲノムの塩基配列を解読することを目標としており、いくつかの種では既に全ゲノム配列が解読済みでございます。
全ゲノム情報を明らかにすることで、有限の因子のなかで研究することができるとされております。
しかし実際には偽遺伝子も存在しており解決すべき問題が残されているのも事実です。
脚光を浴びているゲノム研究は SNPs 解析などを通じて医療分野への応用が期待されています。
またゲノムは情報でしかなく、実際に機能しているのは発現した RNA やタンパク質であり、
生命現象の理解にはこれらを知る必要があるわけなのです。
ゲノム解読以降の研究を総称してポストゲノムと呼ぶが、
新たにゲノムを解読する重要性がなくなるわけではありません。
ゲノムDNAからの転写産物 (トランスクリプト; Transcript) の総和としてトランスクリプトーム (Transcriptome)、
存在するタンパク質 (プロテイン; Protein) の総和としてプロテオーム (Proteome) があります。
また代謝産物 (Metabolite) の総和としてメタボローム (Metabolome) という概念もあります。
これらは組織や器官、細胞周期、生理・病理条件などで変化いたします。
特にプロテオームを扱う分野をプロテオミクスといい、ポストゲノム研究として最も注目されているのです。小生もこれにはぞっこん興味を持っています。
オーミクスでは、データを効率良く網羅的に収集し、
コンピュータによって解析するという手法があり、バイオインフォマティックスという分野が登場しました。
バイオインフォマティックスでは「ハイ・スループット」がキーワードの一つであります。
多数の生物種のゲノムが明らかにされ、
それらを比較することで生物進化を解析する上で有力な手がかりとなると考えられているわけです。
俺ってなんだったんだろう。どのような細胞レベルの進化でプロたんになったんだろう?
こんなこと1日電車の中で考えていると、世の中明るくなります。
人類を救うためのゲノム理論が、将来、自身を救うための医療に発展するんです。
素晴らしいと思いませんか?凄いお話です。感動しませんか?生命って何だろうって?
この関連書物を初めて見た時、電車の中で感動のあまり号泣してしまいました。不覚というよりも何というか。表現できません。
生きていてよかったと思ったのです。
病院の待合室で、どこかの「おばあちゃん」にこの話をしたら、
「ゲノムなんとかと言うのは、確かに素晴らしいことじゃが、今晩の孫のおかずの方が今は心配じゃがな・・・。」と。
ま、それも一理あることで。
皆さんもゲノムを勉強しましょうね。
お知らせ
17日までお盆休みとなりますので、
一時原稿掲載を中止いたします。