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過日はプロたん薬局のお客様で、実際に大学にて教鞭をとられている先生からお便りを頂きました。
何か、サイトカインについてご研究されているとのことで、興味しんしんお話しを伺ったのですが、
小生があんまり詳しいので、驚いてらした。本当はそんなに詳しくは知りません。
ほんの聞きかじり、読みかじりでございます。
そうそう、プロたん氏は薬剤師さんだったのですね・・・というご返信をも賜りました。(笑)
いえ、私は薬剤師である前に「一人のおやじ」であり、「患者」でもあると・・・。(笑)
この文書は7月中旬に品川駅構内近くにあるとても美味しい「コーヒースタンド」中でPDAでカキカキしたものを
掲載しております。
全国からの「おやじBLOG」感想メールに対応してのご返信にはPDAで送信しておりますが、なんせ誤字脱字だらけで、
ホーム掲載していたTCさんが、とうとう追いつかずでお手上げ。
ついに校正プロの「めぐ」さんのご登場とあいなった。
各位におかれましては、ご返信が甚だ遅れ傾向で申し訳ありません。
そうそう、ここの「コーヒースタンド」ではワシもすっかりと「馴染み」となり、行くとすぐに「特製ジュース」を
私の携帯魔法瓶(冷却ポットというらしい・・が)に詰めてくれるお嬢さんが「すぐに作りますね。」と笑顔。
本当に美人で気立ての宜しい娘だ。
マスターのお父さんの手伝いをしていて、お金を貯めて外国旅行に行くそうな。
マスターのご趣味はパイプタバコということだそうだ。珍しいパイプを何本も鑑賞させて頂いた。
ワシはタバコもコーヒーも禁じられているので、話相手にもならず申し訳ないが、それでも以前、パイプの歴史について、
とことん研究した時期もあったので、話が合った。
それはそうと、話が脱線したので、本題の「サイトカイン」に入ります。
サイトカインとは、細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものを言います。
多くの種類があるが特に免疫、炎症に関係したものが多いのです。
また細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒などに関係するものもあります。
ホルモンと似ていますが、ホルモンは分泌する臓器があり、比較的低分子のペプチドが多いのです
(しかし、サイトカインとホルモンは、はっきりとした区別があるものではなく、エリスロポエチンやレプチンなど両方に分類されることがあります)。
また、リンパ球に由来するサイトカインを、リンフォカインということが多いと思います。
一部は医薬品として現在用いられています。
サイトカインは分子量8から30kDaほどで、ピコモル程度の低濃度で生理活性を示すと言われております。
サイトカインは細胞表面の膜上にある受容体(それ自体がチロシンキナーゼまたはチロシンキナーゼと共役するものが多い)に結合して働き、
それそれに特有の細胞内シグナル伝達経路の引き金を引き、結果的には細胞に生化学的あるいは形態的な変化をもたらします。
サイトカインは多機能的、つまり単一のサイトカインが標的細胞の状態によって異なる効果をもたらします。
例えば免疫応答に対して促進と抑制の両作用をもつサイトカインがいくつか知られているのが現状のようです。
またサイトカインは他のサイトカインの発現を調節する働きをもち、連鎖的反応(サイトカインカスケード)を起こすことが多いのです。
このカスケードに含まれるサイトカインとそれを産生する細胞は相互作用して複雑なサイトカインネットワークを作ります。
たとえば炎症応答では白血球がサイトカインを放出しそれがリンパ球を誘引して血管壁を透過させ炎症部位に誘導する。
またサイトカインの遊離により、創傷治癒カスケードの引き金が引かれるのです。
サイトカインはまた脳卒中における血液の再還流による組織へのダメージにも関与すると言われております。
さらに臨床的にはサイトカインの精神症状への影響(抑鬱)も指摘されている昨今でもあります。
サイトカインの過剰産生(サイトカイン・ストームと呼ばれる)は致死的であり、
スペイン風邪やトリインフルエンザによる死亡原因と考えられているのは皆さんご承知かと思います。
この場合サイトカインは免疫系による感染症への防御反応として産生されますが、
それが過剰なレベルになると気道閉塞や多臓器不全を引き起こす(アレルギー反応と似ている)。
間接的には、小生が現在背負っている疾病に由来することなのです。
これらの疾患では免疫系の活発な反応がサイトカインの過剰産生につながるため、
若くて健康な人がかえって罹患しやすいと考えられいます。
小生はそれほど若くなく「爺」ですので、進行が遅いのかも知れません。
サイトカインはすでに数百種類が発見され今も発見が続いています。
機能的には次のように分けられます(ただし重複するものも多い)。
インターロイキン(IL):白血球が分泌し免疫系の調節に機能する。現在30種以上が知られています。
同様に免疫系調節に関与するもので、リンパ球が分泌するものをリンフォカインと言います。
また単球やマクロファージが分泌するものをモノカインということもあります。
ケモカイン:白血球の遊走を誘導します。
インターフェロン(IFN):ウイルス増殖阻止や細胞増殖抑制の機能を持ち、免疫系でも重要ですね。
造血因子:血球の分化・増殖を促進します。コロニー刺激因子(CSF:マクロファージを刺激)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、エリスロポエチン(EPO:赤血球を刺激)などがあります。
細胞増殖因子:特定の細胞に対して増殖を促進します。上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)などがあります。
細胞傷害因子:腫瘍壊死因子(TNF-α)やリンフォトキシン(TNF-β)など、細胞にアポトーシスを誘発します。これらは構造的にも互いに類似しTNFスーパーファミリーと呼ばれます。
アディポカイン:脂肪組織から分泌されるレプチン、TNF-αなどで、食欲や脂質代謝の調節に関わります。
神経栄養因子:神経成長因子(NGF)など、神経細胞の成長を促進します。
また構造的な類似から、多くのインターロイキンやCSF、G-CSF、EPOなどをまとめてI型サイトカイン、インターフェロンやIL-10などをII型サイトカインとも言われています。
コペンハーゲン大学医学部の教授(Bente Klarlund Pederson)により命名された[マイオカイン]と呼ばれる[運動因子]誘発型インターロイキン6の一種が、最近になって成長ホルモンを増量させる効果があると言われるようになって参りました。
後にサイトカインに分類されたタンパク質の中で、最初に見つかったのはインターフェロンで、
1954年に長野泰一らがウイルス干渉因子として発見したものが最初の報告とされています。
ただし、インターフェロンの名は、Aアイザックらが1957年に同様の因子を独自に発見したときに名付けたものであり、これが最初の発見とする研究者もいるのです。
また1960年代にはEGFが、1960年代半ばにはマクロファージ遊走阻止因子(MIF)が発見されました。
ただし、この頃はまだサイトカインというカテゴリは存在しておりませんでした。
1969年、ダドリー・デュモンド(Dudley DuMonde)が、これらの分子が、
いずれも広義の白血球(リンパ球、単球、マクロファージを含む)によって産生されることに着目し、「リンフォカイン」(lymphokine:白血球を意味する接頭語 lympho- とギリシア語で「動く」を意味する kinein からの造語)と総称することを提案しました。
その後、白血球の種類によって、産生する分子に違いが見られることから、特にリンパ球系の細胞が産生するものは「リンフォカイン」、単球系(単球とマクロファージ)が産生するものは「モノカイン」(monokine:mono-は単球を意味するmonocytesに由来)と総称されるようになったわけです。
1974年、スタンリー・コーエンらが腎臓培養細胞からMIF様因子を見出し、
これまで白血球のみが作ると思われていたリンフォカインが、それ以外のさまざまな種類の細胞によっても産生されていることを発見しました。
このため、コーエンはリンフォカインに代えて「サイトカイン」(cytokine: cyto-は「細胞」を意味する接頭語)という名称を提案し、
1980年頃までにはこの名称が受け入れられ、広く使われるようになったといういきさつです。
・・・というわけで、「サイトカイン」について、ほんのさわりだけで、申し訳ないのですが、ごく簡単に説明いたしました。
徳島県のBさん、鹿児島国分のN先生へのご回答とさせて頂きます。
なお詳細につきましては、各大学の医学部サイト又は大学院(主に生命科学)のwebサイトに記述されておりますので、
ご参照くださいませ。
また、アポトーシスのご質問につきましては、何度かご返信はいたしましたが、詳細については小生の知る限り、
日本大学農芸化学の研究室で、学会発表などされているようですので、そちらへお訪ね頂きたいと存じます。
理由にはなりませんが、アポトーシスに関連しての学術は多分にゲノムにも連携することですので、
現在、小生も勉強中でございます。
記述できるようにまとまりましたら、その折、掲載させて頂きます。